アクアリウムのレイアウト基礎から水槽デザイン制作方法

アクアリウムのレイアウト方法や特徴を説明

アクアリウムの専門店に置いてあるような、カッコよくおしゃれなレイアウトデザインを作りたい。

 

アクアリウムのデザインに惹かれてアクアリウムをはじめてみた方もいれば、アクアリウムをはじめてからカッコいいレイアウトを目指した方まで、アクアリウムのレイアウトには人々を惹きつける大きな魅力があるものです。

 

とくに水草水槽の世界では、毎年世界水草レイアウトコンテストと呼ばれる大会が開催されており、世界各国の水草レイアウターと呼ばれるアクアリストが切磋琢磨し競い合い大変な盛り上がりを見せています。

 

言わば、水中ガーデニングとも呼ばれるアクアリウムのレイアウトを上手に作る方法を、業界主催のレイアウトコンテストで優勝経験を持つ筆者が、ここではじっくりと解説していきたいと思います。

アクアリウム水槽のレイアウトとは

アクアリウムのレイアウトとはを説明

多くの方が目指す水槽レイアウトの1つの指標として、水槽内の景観を美しく制作すると共に、自然をイメージしながら素材を配置してリアルな水景デザインを制作することを目指します。

 

 

自然の一部を切り取ったレイアウトは、見た目の演出だけでなく水槽で泳ぐ熱帯魚たちが安心して生息できることで、より美しい発色や産卵などの繁殖行動を観れるという大きなメリットがあるものです。

 

水族館などに行くと、地域別展示と呼ばれる水槽展示があります。

その地域に住む生き物に合わせた植物や流木、川や山を再現することで、生き物がリラックスして生活できるものです。

 

アクアリウムのレイアウトと聞くと、人々が鑑賞したときに美しく見るためにというイメージがあるかもしれませんが、生き物に合わせたレイアウトを作ることも忘れてはなりません。

 

流木をたくさん入れることでアクを出しブラックウォーター化した水槽は、一見汚れて見えるかもしれません。

しかし、酸性よりの水質を好むアマゾンに住む熱帯魚にとっては、非常に好む水質へ変化することで熱帯魚がより鮮やかな発色をします。

これもまた、熱帯魚の特性に合わせた大変見応えがあるアクアリウムのレイアウト技法の1つです。

ダッチアクアリウムについて


 

ダッチアクアリウムは、とくにオランダで発展したアクアリウムの一スタイルで、植物の色彩や配列に重きを置いた水槽レイアウトです。

1940年代にオランダのアクアリストたちによってはじめられたとされており、現在もその伝統は引き継がれています。

 

ダッチアクアリウムでは、熱帯魚よりも植物が主役とされています。

多種多様な水草を使い、色彩、形、高さを考慮して植栽され、とくに赤、緑、黄などの色彩のコントラストが重要とされています。

 

さらに、高低差をつけて植物を植栽することで、奥行き感を演出します。

前景、中景、そして後景の3つのレイヤーに分け、各レイヤーに適した植物を選ぶことも重要です。

 

国内で実践される人は少なくなりましたが、ダッチアクアリウムは、その美しさと精巧さで多くのアクアリストに愛されています。

植物の成長と配置に細心の注意を払い、視覚的な芸術作品を作り上げることが求められます。

挑戦的ではありますが、その完成度の高さと魅力は、多くの人々を魅了し続けています。

ネイチャーアクアリウムについて


ネイチャーアクアリウムは、日本のアクアリウムデザイナーである天野尚(Amano Takashi)によって提唱されたレイアウトスタイルで、自然の風景を模倣した美しい水槽レイアウトを特徴とします。

 

それまでレイアウトの主役だったダッチアクアリウムとは大きく異なり、流木や石を使用。

水草を植栽して育てたらピンチカットしてトリミングをするレイアウト技法により、自然界の水景を水槽内へ再現しました。

 

その魅力的なレイアウトのなかでもとくに、日本庭園をモチーフにしたとされる三尊石組と呼ばれる水槽レイアウトは、多くのアクアリウムレイアウターへ衝撃を与え、一気にファンを増やし今日に至ります。

 

ネイチャーアクアリウムは、その美しさと自然な景観で国内外で多くのアクアリストに愛されています。

ハードスケーピング


ハードスケーピングとは、アクアリウムでいうところのジオラマレイアウトをここでは指します。

ネイチャーアクアリウムが水中世界を想像してレイアウトを作ることに対し、ジオラマレイアウトは山脈や森のなかなどの陸上を再現して作っていくレイアウト技法です。

 

アクアリウムのレイアウトコンテストで上位に入るジオラマレイアウトは、本当に水が入っているのかと疑うほど。

迫力やインパクトが非常に高く、見る人を惹きつける力が高いレイアウト技法です。

 

ただし、石を多用したりモスの細かい調整管理が必要なことが多いため、挑戦するのはハードルが高いので注意が必要です。

ハードスケーピングに挑戦したい方は、ハードスケーピングの実績がある専門店へ相談しながら作り上げていくことをおすすめします。

アクアリウム水槽のレイアウトルール

アクアリウムのレイアウトルールを説明

水槽のレイアウトを上手に作るためには、水槽レイアウトのルールを知って実践することが大切です。

 

自由に作るということを優先しすぎると、じつは生き物にとって好ましくないレイアウトとなってしまうことあるので、最低限ここで説明するルールを守って実践していくことをおすすめします。

レイアウトの構図について


アクアリウムのレイアウト構図には、三角構図・凹型構図・凸型構図と呼ばれる代表的な3つの構図があります。

 

例えば、水槽の左側に背の高くなる水草や流木などを配置し高さとボリュームを作り出したら、そこから右側へ向けて徐々に高さを下げていく、これを三角構図と呼びます。

初心者の方におすすめなのは三角構図で、最も簡単に作りやすくはじめに挑戦してほしいレイアウト構図です。

 

凹型構図は、水槽の左右に高さとボリュームを出して水槽中央付近は背を低くして吹き抜けを作ります。

主観ですが、パッと見た時にカッコよく見えやすいレイアウトと言えば凹型レイアウトで、バランスのとりやすいレイアウト構図です。

 

凸型構図は、水槽の中央付近をボリュームと高さを出して、字の如く凸型のレイアウトを水槽に作り出す構図です。

個性的なレイアウトに多いのは凸型構図で、凹型構図や三角構図などの王道レイアウトから、少し変えてみたいなという時におすすめです。

鑑賞面を考えたレイアウト設計


アクアリウムのレイアウトをする上で、鑑賞する場所からベストなレイアウトとなる設計をすることが大切です。

 

例えば、ソファに座りながら水槽を鑑賞したい場合は、水槽レイアウト制作中は水槽から離れて何度もソファに座りレイアウトを確認することが非常に大切です。

 

この確認を怠ってしまのはとても危険です。

水槽前では良いレイアウトができたと満足しても、いざソファに座り完成した水槽を見ると、イメージと違うと納得できないことはよくある話です。

 

その水槽の顔を作ること、そして最も鑑賞する場所から制作中に何度の確認することを心がけて、水槽レイアウト制作をするようにしましょう。

水槽機材における設置場所の設計


水槽レイアウトをする場合に、ろ過フィルターや水槽用ヒーターなどの水槽機材の設置場所を設計することも大切です。

 

水槽レイアウトをカッコ良く制作することも大切ですが、水槽のなかを泳ぐ熱帯魚や水草などの生き物たちが、健康で長生きすることが最優先すべきポイントです。

 

それには、水の循環や水温を一定に保つなどの機材選定、設置場所をレイアウトに合わせて設定することが重要となり、それには経験や知識が必要です。

 

もし、どこに機材をセッティングすれば良いか分からない場合は、希望とする水槽レイアウトの写真をネットで探して参考にするか、専門店へ事前に相談をするようにしましょう。

 

近くに専門店がない場合、YouTubeアクアリウム大学を参照してみてください。

アクアリウム水槽でレイアウトをするメリット

アクアリウムにおけるレイアウトのメリット

アクアリウム水槽でレイアウトをする目的は、主に3つあると考えています。

1つは、鑑賞時の満足度を上げること、2つ目はレイアウトの制作をする楽しみ、そして3つ目が生き物たちへ隠れ場所を提供することです。

 

水槽管理者自身が思い描く理想の水景を鑑賞する時間は、非常に贅沢で有意義な時間となるものです。

そして、理想の水槽レイアウトを作る過程も非常に面白く、アクアリウムを趣味として過ごす時間のなかで、レイアウト制作をしている時間が最も楽しいと感じているアクアリストは非常に多いはずです。

 

また、芸術的なレイアウトを目指すのではなく、熱帯魚飼育中心の水槽レイアウトを目指すケースでは、切り株のような大型流木を大胆に配置してシンプルなレイアウトで終わらすアクアリストも大勢いるものです。

 

このように、水槽レイアウトへの考え方、制作目的は人それぞれですが、アクアリウムを楽しむアクアリストは、水槽レイアウトへこだわりもってみなさんがそれぞれ楽しんでいます。

 

アクアリウムを楽しむ上でレイアウトへこだわることで、よりアクアリウムが面白くなるはずです。

レイアウトをするデメリット


アクアリウムのレイアウトには大きなメリットがあることを書きましたが、じつはデメリットもあります。

 

レイアウトをすることで、水槽内の遊泳スペースを狭めてしまうことや、流木や石が障害となり水の循環の効率を悪くすることも。

また、水槽の底床を掃除する時や、水槽表面のコケを取る時にレイアウト物が邪魔になってしまう可能性もあります。

 

このように、水槽レイアウトをすることで、残念ながら管理面での効率は悪くなってしまうこともありますが、経験を積むことで水槽の掃除をする時に邪魔にならないレイアウト方法や機材、資材の選び方が身に付くことで、水槽レイアウトと上手に両立できるようになります。

 

コツとしては、綺麗に管理されている水槽をよく観察して、機材やレイアウトを真似してみること。

これが最も早く上達する方法です。

 

真似と書くと抵抗がある方もいるかもしれませんが、上手になるためにまずは真似する。

そして、徐々に自分のアレンジを加えていくことを私はおすすめします。

アクアリウム水槽のレイアウト事例

アクアリウムのレイアウトを写真で説明

ここからは、水槽のスタイル別にいくつかレイアウト写真をご紹介します。

自分自身の希望するアクアリウムレイアウトはどんなものなのか、ぜひ想像しながらご覧ください。

淡水熱帯魚水槽のレイアウトデザイン事例


熱帯魚水槽のレイアウト事例

水草水槽のレイアウトデザイン事例


水草水槽のレイアウト事例

メダカ水槽のレイアウトデザイン事例


メダカ水槽のレイアウト事例

アクアリウムのレイアウト制作をプロへ依頼

アクアリウムで不安な方が安心して問い合わせができる説明ページ

アクアリウムのレイアウトについて解説しました。

アクアリウムのレイアウトは非常に面白く、ぜひ時間をかけて自分の理想とするデザイン制作に精を出してみてください。

 

また、流木通販の水槽素材では、初めてレイアウトへチャレンジする方でも安心して取り組めるよう、水槽サイズ別のレイアウトセットから、お客様の希望をヒアリングしてからプロが仮組みをしたものをセット販売する、フルオーダーレイアウトセットも行っております。

 

お見積無料で大変人気があるサービスとなっておりますので、ぜひご検討くださいませ。

その他、水槽のセット販売や水槽設置サービス、今ある水槽のリニューアルやスポットメンテナンスも大変好評です。

 

アクアリウムのことなら、お気軽にご相談くださいませ。